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とある依頼達成後の帰り道、フランがロキシーにたずねる。
「ねえロキシー、良かったら師匠のカレー、食べる?」
「…!!」
依頼中からずっとフランからカレーの話を聞かされていたロキシーは、既に胃袋が限界だったのである。少し、いや、とてもありがたい提案だった。
「…町まではまだ距離がありますし、お言葉に甘えて…」
「ん、わかった!」
そういうとフランの剣、「師匠」が次元収納からカレーを2人分取り出す。
「フラン以外に食べてもらったこと、あまりないからな。後で感想、聞かせてくれよ!」
カレーを受け取ると独特な香りがロキシーの鼻を刺激する。これは確かに美味しそうだ。
「…では、いただきます。」
しかし、最初の一口を口に運ぼうとした刹那、背後から無数の人影、盗賊たちだ。しかもかなりの数だ。カレーの匂いにつられてきてしまったのだろうか。
「くっ!不意をつかれた上にこの人数差、一旦逃げましょう!」
「フラン!ここは退くぞ!」
「でも師匠、カレーが…」
「あとでまた作ってやるから、今は逃げるぞ!」
盗賊たち追われ、一目散に走るロキシーとフラン。
「…カレー、食べたかったのに…」

2025/1/31 21:53
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