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目を覚ますと
「…寒い」
寒さに目を覚ました俺は、目の前の光景に目を疑ってしまった。
「どこだ…ここ」
そこは俺にとって縁もゆかりもない場所だった。
どう見たって雪山にしか見えない。
とりあえず昨日のことを思い出してみることにした。
(確か昨日は、同僚に半ば強制的に居酒屋に連れていかれ、帰り道でトラックに…)
「そうか、俺死んだんだ」
どうやら、転生してしまったらしい。
異世界転生ものが好きなせいか妙に落ち着いてる。
そうこうしているうちに俺は何者かに襲われてることに気づく。
そう、睡魔だ。眠くてしょうがない。
「ちょっとだけなら…」
「みんなー、早くこっちに来てくれー」
「どうしたんですか?」
「人が倒れてるんだ」
「大丈夫ですの?これ」
「大丈夫だよ。ぼくに任せて」
(なんだか体が暖かい。不思議な気分だ。)
どうやら治癒魔法をかけてくれたみたいだ。
「あの…ありg」
俺の感謝は何者かによって遮られてしまった。
それは鳥と呼ぶにはあまりにも大きく禍々しい。
(ど…ドラゴン!?)
「大丈夫です。私に任せてください。」
初めてみる魔物や魔法に恐怖すらも忘れて、ただただ美しいと思ってる自分がいる。

2025/2/4 18:12
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