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人間の君へ。
夜の闇が深まる中、トゥーリカは震える声で囁いた。「僕を一人にしないでくれ…」彼の前には、古代の遺跡が広がっていた。月の光が石畳を照らし、遠くからは風が木々を揺らす音が聞こえる。
「心配するな、トゥーリカ。」隣に立つエルフの少女、リリアが優しく言った。彼女の緑の瞳は夜の闇を貫くように輝いている。「この場所には、古の魔術で守られた力がある。僕たちは大丈夫だよ。」
トゥーリカは彼女の言葉に少し安心し、遺跡の中心へと進んだ。彼の足元には、古の文字が刻まれた石板があり、その周囲には青い光が淡く点滅している。トゥーリカは指をそっとその文字に触れ、何かを感じ取ろうとしていた。
「この遺跡は、一体何を隠しているんだろう?」リリアが問いかけた。
「伝説によると、ここには人間界と異界を繋ぐ扉があるらしい。」トゥーリカは言った。「もしそれが本当なら、僕たちは新しい冒険の始まりを目の当たりにすることになる。」
その瞬間、石板が強く光り、二人の周りに風が巻き起こった。トゥーリカは驚きつつも、リリアの手をしっかりと握りしめた。
「行こう、トゥーリカ。僕たちの冒険が始まる。」リリアが微笑みながら言うと、二人は光の中へと歩みを進めた。

2025/3/3 12:43
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